感染症専門医試験対策 2018

感染症専門医試験対策★

2018年の試験、合格出来ました。ようやく肩の荷がおりました。簡単に思うDrもいると思いますが、ワクチン・小児・感染症法は直前にでも、それなりの対策を立てたほうが良いです。 いわゆる学会の試験対策本は3回繰り返しましたが、噂ではあまりあてになる事が多いという話を聞いていました。しかし、みんなが取れる点は落とさないようにするためにやりました。繰り返す回数は3回でなくても、本人の実力次第だと思います。他、症例ばかりを集めた画像がたくさんある感染症レーニング本をビジュアル問題対策としてざっくり読んだりしました。試験の感想としては、総合内科専門医試験の方が内容が広範囲にわたるので、大変な試験だとは思います。他、直接の役に立つかは不明でしたが、新しめの総合内科専門医試験対策の本で、感染症の項を最新情報いれるために目を通しました。総合内科専門医試験対策もしているDrであれば、手に入れやすいかもしれません。ただ、こちらはやはり感染症専門医試験よりは簡単な印象なので、あくまで流行りをみるに留まります。感染症専門医対策は、あまりブログが少なかったのでご参考までに。

また時間があったら具体的に追記しますが、しないかもしれません(笑)

 

抗MAC抗体

・キャピリア®MAC 抗体 ELISAは、非結核性抗酸菌の細胞壁を構成する糖脂質抗原であるGPL(Glycopeptidolipid)の部分において、結核菌やM.kansasii菌以外の非結核性抗酸菌が共通に持つGPL-coreを抗原とする血清中のIgA 抗体を測定する方法

 

・キャピリア®MAC 抗体 ELISAは、特異度は高いが、感度は十分に高いとは言えない。   検査が陰性でもMAC症を否定できるものではなく, あくまでも補助的診断

 

・肺MAC患者70名、肺結核患者、37名、その他の肺疾患患者45名、環境からの混入と考えられた者18名、および健常者76名を対象とし、血清抗体価は肺MAC症群で有意に上昇しており、カットオフ値を0.7U/mLとすると肺MAC症の診断的有用性は感度84%、特異度100%であった。
(Am J Respir Crit Care Med. 2008 ; 177 : 793_7.)

・本邦で行われた関節リウマチ患者の気管支病変とMAC症との鑑別に関する研究では、63名の関節リウマチ患を対象とし血清抗GPL-core IgA抗体価が測定された。対象の内訳は、肺MAC症 14名、MAC以外のNTM症 3名、気管支拡張所見を有する患者 16名、胸部異常所見のない患者 30名で、カットオフ値を0.7U/mLとすると、感度47%、特異度100であった。

(Mod Rheumatol. 2011;21:144-9)

・米国:検討では、肺MAC症 100名、健常ボランティア 52人を対象とし、カットオフ値 0.3U/mLでは感度 70.1%、特異度 93.9%であった。一方で日本で使用されているカットオフ値 0.7U/mLを当てはめると、感度51.7%、特異度93.9%と感度が低値であった。著者らは、カットオフ値 0.7U/mLの感度が低くなった原因として、対象とした患者の菌種の違い、疾患活動性、異なる人種で行った事を挙げている。

CK上昇

CK MBがtotal CKを超える疾患→悪性疾患

J Intern Med Taiwan 2003;14: 243-247

 

症例報告

アブストラクト;

82歳男性。左胸部痛。Total CPKよりCPK MBがはるかに超えていた。さらに検査するとトータルCK 活性の中でCK MMが100%を占めていた。最終的に患者はstage Dの前立腺癌と診断。CK-MBのほとんどは、マクロ(大型)CKの存在によるものであった。患者がMIと合わない時、悪性疾患を検討しなければいけない。

背景;

脳と平滑筋は BB,心筋は MB,骨格筋は MM という CK アイソザイムを持っています。

通常,CK-BB 1%以下,CK-MB 4%以下,CK-MM 94%以上の値を示します。

しかしながら、CPK MBは、血漿の中にマクロ(大型の)CKもしくはCK BBが存在するときにも上昇する。これらの酵素の形は、検査室で検査されるMB測定の免疫抑制方法に干渉する。

本文;

The CK level was 964 U/L, the CK-MB level was 1205 U/L, and the aspartate aminotransferase level was 80 U/L.

CKレベルは964U/Lであった、CK-MBレベルは1205U/Lであった、そして、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ・レベル(=AST)は80U/Lであった。

考察;

CK活性は、マクロCKと呼ばれる高分子形状でみつかることもある。

マクロCKは、type1とtype2の中に存在

Type1は、通常はBBとIgGの複合物、他の形としてはIgAとMMの複合物のような形Type2は、オリゴマーミトコンドリアCKで、0.5%~2.6%の間の保有率。

CK酵素の3つの主要技術

電気泳動、②イオン交換クロマトグラフ法、③免疫性方法である。

電気泳動酵素を特定することで最も特異的手段と考えられる、しかし、非定型マクロCKは、不正確な結果につながることがある。

免疫抑制方法は、免疫沈降(沈殿)より単純およびより急速より一般的に用いられる。

この方法では、抗-CK-M抗体はCK-MMのMサブユニットとCK-MBの一つのMサブユニットを阻害するのに用いられ、そして、Bサブユニットの酵素活性の決定。

CK-MB値は、Bサブユニットの2倍により計算。それは検査された血清からCK-BBまたはマクロCKの欠如を仮定しなければならない。偽陽性CK-MBの潜在的もとである。

高いCK-BBは、CK-MBを不正に2倍にする可能性がある。さらにまた、免疫抑制方法を使用するとき、マクロCKは、CK-MまたはCK-Bの抗体によって阻害されなくて、このように不正に高いCK-MB値を生じることもありえる。

 

マクロCKは、高い分子量を持つ血清酵素である。

前立腺癌または他の癌で、高いCK-BB またはマクロCK の存在を報告している。高いCK-MBが、臨床医は前立腺癌または他の癌の可能性を考慮しなければならない。

抗菌薬が無効と考える時に

 

①投与量・投与間隔の問題

②抗菌薬が移行しにくい部位・転移病巣の感染の存在

 ―移行性を考慮する臓器:中枢神経,眼球内,前立腺,骨髄

  閉塞部位(胆管結石,膿胸,膿瘍)や壊死臓器への感染

③自然経過

④抗菌薬がカバーしていない

 ―耐性菌,真菌,抗酸菌,ウイルスなど

⑤そもそもの病名が違う

 ―非感染症:Drug,DVT,偽痛風,腫瘍熱,血腫吸収熱など

海綿骨 皮質骨

 

臨床骨折は、全椎体骨折の1/3に過ぎない。

腰椎・大腿骨近位部が使用できない場合は、前腕骨を使用する。

副甲状腺機能亢進症では、橈骨骨幹部(1/3遠位部)が最適。

 

QUS(定量的超音波測定法)

ふとももの骨(大腿骨:だいたいこつ)の図

グラム陽性球菌の特徴

 

カタラーゼ陽性 ブドウ   コアグラーゼ陽性 S.aureus MRSA

              コアグラーゼ陰性 S.epidermidis CNS

カタラーゼ陰性 長い連鎖  α溶血      S.viridans

              β溶血    A群 S.pyogenes

                     B群 S.agalactiae

        短い連鎖  γ溶血    Enterococcus.spp

 

・ヒツジ血液寒天培地上の溶血環の性状

β溶血は 血液寒天培地が透ける。

緑色環のα溶血

溶血のみられないγ(ガンマ)溶血があり、培地上に発育したコロニーを見分ける重要なポイントになります。しかし、最近では典型的なβ溶血環の見られない非溶血タイプも報告あり。

・Lancefieldの分類

レンサ球菌は、菌体の表面(細胞壁という)を構成する部分に基づいた分類法、すなわち、ランスフィールド(Lancefield)の分類のA~H群およびK~V群(IとJは欠番)に分類されます。

 

ランスフィールド分類のA群+ヒツジ血液寒天培地上のβ溶血

「A群β溶血レンサ球菌」