CK上昇

CK MBがtotal CKを超える疾患→悪性疾患

J Intern Med Taiwan 2003;14: 243-247

 

症例報告

アブストラクト;

82歳男性。左胸部痛。Total CPKよりCPK MBがはるかに超えていた。さらに検査するとトータルCK 活性の中でCK MMが100%を占めていた。最終的に患者はstage Dの前立腺癌と診断。CK-MBのほとんどは、マクロ(大型)CKの存在によるものであった。患者がMIと合わない時、悪性疾患を検討しなければいけない。

背景;

脳と平滑筋は BB,心筋は MB,骨格筋は MM という CK アイソザイムを持っています。

通常,CK-BB 1%以下,CK-MB 4%以下,CK-MM 94%以上の値を示します。

しかしながら、CPK MBは、血漿の中にマクロ(大型の)CKもしくはCK BBが存在するときにも上昇する。これらの酵素の形は、検査室で検査されるMB測定の免疫抑制方法に干渉する。

本文;

The CK level was 964 U/L, the CK-MB level was 1205 U/L, and the aspartate aminotransferase level was 80 U/L.

CKレベルは964U/Lであった、CK-MBレベルは1205U/Lであった、そして、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ・レベル(=AST)は80U/Lであった。

考察;

CK活性は、マクロCKと呼ばれる高分子形状でみつかることもある。

マクロCKは、type1とtype2の中に存在

Type1は、通常はBBとIgGの複合物、他の形としてはIgAとMMの複合物のような形Type2は、オリゴマーミトコンドリアCKで、0.5%~2.6%の間の保有率。

CK酵素の3つの主要技術

電気泳動、②イオン交換クロマトグラフ法、③免疫性方法である。

電気泳動酵素を特定することで最も特異的手段と考えられる、しかし、非定型マクロCKは、不正確な結果につながることがある。

免疫抑制方法は、免疫沈降(沈殿)より単純およびより急速より一般的に用いられる。

この方法では、抗-CK-M抗体はCK-MMのMサブユニットとCK-MBの一つのMサブユニットを阻害するのに用いられ、そして、Bサブユニットの酵素活性の決定。

CK-MB値は、Bサブユニットの2倍により計算。それは検査された血清からCK-BBまたはマクロCKの欠如を仮定しなければならない。偽陽性CK-MBの潜在的もとである。

高いCK-BBは、CK-MBを不正に2倍にする可能性がある。さらにまた、免疫抑制方法を使用するとき、マクロCKは、CK-MまたはCK-Bの抗体によって阻害されなくて、このように不正に高いCK-MB値を生じることもありえる。

 

マクロCKは、高い分子量を持つ血清酵素である。

前立腺癌または他の癌で、高いCK-BB またはマクロCK の存在を報告している。高いCK-MBが、臨床医は前立腺癌または他の癌の可能性を考慮しなければならない。